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フォトエッセイコンテスト1次選考通過作品
母の想い…
ミリーレ

数年前のある日、認知症初期症状だった母に美味しいものを食べてもらおうと難波へ行く際、高野線で人身事故が発生。
最寄りの泉ケ丘駅2番線に中もず行きの電車が停まっていたので、私は最後方の車両へ母親が目に届く場所に座らせてから車掌さんに聞いてみることにした。
お互いニコニコしながら対応してた姿を見た母。
私が話を終えて戻ると、
「背が高くて紳士やね。」
車掌さんに惚れていたみたいです。
中もず駅到着後、車掌さんが私に気を遣って声をかけて下さった後、お辞儀をして発車。母親はさらに惚れてました。
あれから私が電車に乗るたび、
「背の高い車掌さん、見れた?」
が口癖で、聞くのが楽しみだった。
「見れたよ!」って言ったら、凄く喜んで目を輝かせていた姿が未だに忘れられない。
あれから一年半後、認知症が悪化し、寝たきり生活に。
話すことができなくなった母。
元気であれば、直接車掌さんに「ありがとう」と伝えたかったはず。
私は車掌さんの姿をはっきり覚えているので、今でも担当列車に乗った際、心の中でありがとうと常に呟いています。
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